スポーツ用品店員とるねこ
わたくしとるねこ、21〜22歳頃、某スポーツメーカーのショップ店員として働いておりました。
と言うのも当時、某体育大学に通っていて、スポーツメーカーに就職したい、だけどまともに就活しても入社できない、ならばアルバイトとして潜入し気に入ってもらって社員してもらおうと思っていたからです。
まぁアルバイトからの社員雇用は無いと潜入してから知ったのですが。

それはさておき社員にしてもらえないからといってふてくされること無く真面目に働いていました。
そこのお店では野球、ゴルフ、サッカー、テニス、バドミントン、バレーボール、ランニング、ウォーキング等々とりあえずは一通りのスポーツを扱っていました。
野球が盛んな地域だったので売上の6〜7割は野球用品でした。
あとはゴルフ用品は単価が高く、たまにですが売れると大きな収入となってました。
野球やってる人がバットを買った話をしても普通なのでちょっと変わったお客さんとの思い出をダラダラ書いてこうと思います。
白いアンダーシャツの男
ある夏の日、その男は野球のアンダーシャツコーナーに立っていた。年齢は70歳くらい、どこかの少年野球チームの監督かコーチだろうか。それともまだまだ現役の草野球大好き爺様だろうか。
アンダーシャツコーナーには黒、紺、赤、緑、青など様々な色が。そしてそれぞれの半袖、長袖、タンクトップ、また首元も丸首やハイネック、今じゃあまり見ないU首タイプなどがずらりと並んでいた。
男は10分ほどアンダーシャツコーナーで悩んでから白の長袖ハイネックのアンダーシャツを手に取りレジへと向かった。
夏に長袖も着ないことはないがこの地域で白のアンダーシャツのチームが珍しいな、もしかして早稲田の関係者の方かなと思いつつ私はレジを打ちながら問いかけた。

「どちらのチームにご所属なさってるんですか?登録されていますチームですと割引対象となります。」
男は答えた。
「別に野球やってねぇ。山入るのに蜂に刺されるからこれ着ようと思ってよ。」
そして男は山へと向かった。

セッターの女
その女はバレーボールコーナーにいた。年齢は5〜60代。ママさんバレーをされているのだろうか。

バレーボールコーナーは規模が小さく、先述の野球のアンダーシャツコーナーよりも狭い。
彼女は3000円くらいする黒の膝サポーターを手に取り私に尋ねた。
「私にも着けられるかしら?」
私は答える。「フリーサイズですしゴムで伸びるので大丈夫ですよ。」
「なら買ってこうかしら。雑巾掛けする時膝が擦れて痛くって。」
掃除はスポーツだ。
と言うわけで今回はスポーツ用品店に来るスポーツをしない人たちを思い出してみました。
当時の若かった僕は固定観念に囚われまくりでしたが、お客様に柔軟な考え方を教わりました。

みなさんも自分だけの使い方を探してみませんか?
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