バー店員とるねこ
バーで働いていた事があります。

かといってバーテンダーではありません。
バー店員です。
沖縄の小さな町にある地元の人たちが集まるバーです。
酒の種類は瓶ビールと泡盛4種類、泡盛はそれぞれ四合瓶と一升瓶を用意してましたがほとんどの人が一升瓶をキープしていました。
さすが沖縄!って感じです。

マスターと僕の二人だけのバーで、開店時間は25時。
閉店時間は朝7時。ってかお客様がいるまで。大体毎日昼くらいまで呑んでました。
さすが沖縄!って感じです。
当時昼の12時には「笑っていいとも!」が放送していて、「いいとも始まったから帰ろう」が合言葉でした。
さすがの呑人もタモリさんには勝てません。

ここではカクテルの作り方もフレアバーテンティングも学べませんが、マスターの神業的接客術と小さな町ながら社会の構造を学ぶ事ができました。
この2点を今日は思い出していこうと思います。
マスターの神業接客術
25時オープンのこの店ですがマスターは本業の配送業の仕事を終え27時頃店にやってきます。
それまでは僕一人です。
店に来るとまず「酒もらおう」と言い、仕事終わりの一杯を飲みます。
そしてどのお客さんよりも呑み、どのお客さんより酔っ払います。
更に明け方限界が来ると「5分だけ横になろうね」と言い、テーブル席のソファーで爆睡します。

お客さんが全員帰り、片付けをして起こすと「いつも悪いやぁ」と言って一緒に帰ります。
一見だらしなそうなこのマスター、何が凄いって誰よりも楽しそうに飲んでいる事です。
そしてこんなだらしないのにお客さんみんなに愛され、ゆるされる最強のマスターでした。
「誰よりも楽しむ」
マスターの神業接客テクニックをここで学ぶ事ができました。
社会の縮図
僕が住んでいた沖縄の小さな町では
①建築業の人たちが仕事終わりに居酒屋に行く
↓
②呑み足りずスナックに行く
↓
③アフター、もしくは仕事終わりのスナックのママ達がバーに行く
こういった構図で小さな町の経済は回っていました。
だので建築業が暇だと居酒屋も暇で、居酒屋が暇だとスナックも暇で、スナックも暇だとバーも暇。
そうなると経済が回んないんで建築の仕事引っ張ってこれる人が多少悪い人でも議員に当選する。
国単位で見ても大雑把だけどこんな感じで社会が動いてんだなーと当時は思いました。

今は当時とは多少お金の動きが変わったかも知れませんが潤った所が次の乾いた所を潤し循環していく、この仕組みは変わっていないと思います。
早く僕も潤って隣の砂漠に水をあげたいのですが・・
皆さんも乾燥する時期なので火の元には十分気をつけて下さい。さようなら。

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