ガラス屋とるねこ

2022年1月7日

ガラス屋も窓ガラスや板ガラス色々ありますが僕がやっていたのは吹きガラス、そして今回は沖縄にいた頃の琉球ガラスのお話をしようと思います。

琉球ガラスに携わっていた頃、よく

「琉球ガラスって何?」

と聞かれました。

僕にもよくわかりません。

戦後あまり物が無く、米軍兵の捨てたコーラの瓶などを溶かしてグラスやお皿を作ったのが発祥とは聞いています。

しかし異物が混ざっているため気泡がよく入ってしまい、ならいっその事模様にしてしまえと現在の泡が入っていたり、色鮮やかなガラスがなんとなく琉球ガラスかなぁと思っています。

定義とかはよくわかりません。

ちょうど僕が沖縄にいた頃、琉球ガラス界が色々と揉めていました。

今もかも知れませんが。

とある大きな琉球ガラス会社がベトナムに新しい工房を作り、沖縄の職人が現地の人たちにガラスの技術を教え、安い人件費、安いコストでガラスの製造を始めました。

CMでも沖縄の魂をベトナムに、みたいなことを言っていた気がします。

そして沖縄には一見同じようなガラスが安くお土産屋さんに並び、お客さんも必然的に安い琉球ガラスを買って行きます。

これに他のガラス工房はもちろん怒りだし、組合を作り裁判にまでなっていたと記憶しております。

「メイドインベトナム」とわかりやすく表記するということで決着がついたと思います。

まぁ確かにお行儀はよくない気がしますが僕がいた工房も半分くらいが内地の人間(沖縄以外の出身)で大阪のガラスの原材料を使い、沖縄で作っていればそれで琉球ガラスなのかなぁと複雑な気持ちではいました。

琉球ガラスがお土産による需要が多いからってのもありますが得てしてお土産ってなんかモヤモヤとはしてますよね。

グアム旅行のお土産に栓抜きのいかにもグアムなデザインのキーホルダーを貰っても後ろにはちゃんと「メイドインチャイナ」って書いてあったり、東京ばな奈の工場が埼玉にあったり。

そもそも東京でバナナ採れないでしょ。

結局お土産は「行った感」で買う人がほとんどなんだから北海道に行けばなんだかんだ「白い恋人」買っちゃうし、山梨行けば「信玄餅」を買っちゃうんです、人間だもの。

話がそれてお土産の話ばかりになってしまいましたがなんだかんだ僕は仙台土産の「萩の月」が一番好きです。

それでは皆さんごきげんよう。